スネア オーバーホール "slingerland Buddy Rich 「PEARL SNARE DRUM」& Negi Drums 「Beech shell」"
オーバーホールでお預かりしていた2台のスネア。
作業が完了しました。
slingerlandのスネアは14×4
69年頃のカタログから掲載されている"Buddy Rich Pearl SNARE DRUM"
正確な資料まで辿り着けなかったのですが、恐らく7plyシェルかと思われます。
メイプルと、ポプラかベニヤかでしょうか…、、の合板。
ズーマティックストレイナーに、レバーを操作すると本体のパーツが外れて動いてしまうような不具合がありましたが、問題なく整いました。
70's以降のスティックセイバーフープはもう少し厚い記憶がありましたが、このスネアに装着されているフープはとても薄いものでした。
非常に深く狭い幅で掘られたスネアベッドも特徴的です。
今回は、その点を考慮したエンドプレート形状のモデルのスナッピーを選びました。
オフセットに配置されたセパレートラグからくる ”スイートスポットの出方” がとても面白かったです。
上下で、ヘッドにかかっているテンションの位置が違っているとこういう動きが起こるんだ、、という事を肌で感じます。
シェルの中で捻り込んだようなタイトに締まった発音の現れ方で、スティックセイバーフープとも相まって、まとまりの良いコツっとしたサウンドです。
フープの薄さからくるライトな発声に対して、14×4という面積のコンパクトなシェルをラグで更に締め上げた ”軽い印象にならない” 密度の高さが心地よいです。
NEGI DRUM、はBeechシェル。
とても厚いシェルです。
Beechシェルには個人的に、、やや硬質でダーク、かつドライなディケイを持った印象、そして打感にも共通したものを感じます。
温度感の少ない乾いた倍音や存在感に、とてもクールなカッコ良さを感じています。
そういったキャラクターのあるスネアドラムサウンドの中でも、オリジナルでセットアップされているゴールドのメッキがされた柔らかめのスナッピーがとても相性良く感じます。
相反するものでバランスを取る!という事が全てのケースに当てはまる訳ではない…という事はつくづく感じているのですが、こうしたオリジナルセットアップのバランスを感じるととても胸をうたれます。
ヘッドには00のアンバサダーを。ややしっとりした打感と明るさをバランス出来るようイメージして選びました。
とても端正な作りが太く豊かな響に繋がっていることを実感する、たっぷりと響くドラムでした。
ドラマー様のスタイルや、イメージに沿ったセットアップを意識して納品いたしました。
ご依頼くださいました、佐藤栄太郎さま(indigo la End)
ありがとうございました!
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